不育症検査
不育症とは「妊娠はするけれど、流産・死産を繰り返して結果的に子供がもてない場合」をいいます。2回以上の流産・死産を繰り返す場合、または妊娠10週以降に流産・死産になってしまった場合は不育症の検査が推奨されます。不育症の原因は胎児の染色体異常が最も多いとされていますが、他に血液凝固異常、内分泌異常、子宮形態異常、ご夫婦の染色体異常などが考えられます。これらの原因が複合している場合もありますし、全体の25%は原因不明と言われています。
(以下の※が当院でできる検査となります。料金表はこちらをご参照ください。)
検査内容のまとめ
血液凝固異常※
抗リン脂質抗体検査
(抗カルジオリピンIgG/IgM、抗β2GP1抗体IgG/IgM)、凝固第XII因子活性、プロテインC活性、プロテインS活性、抗PE IgG、抗PE IgM)
内分泌異常※
甲状腺機能と糖尿病の検査、高プロラクチン血症の検査
血液検査は当院で行えます(必要に応じ画像評価等をご紹介)
子宮形態異常※
経腟超音波検査※
ソノヒステログラフィー※
必要に応じMRI検査をご紹介
染色体検査※
血液検査(Gバンド法)※
胎児染色体異常の検査
子宮内フローラ検査※
次世代シーケンサー分析による細菌叢検査
血液凝固異常の検査※
血管の中に血液の塊ができることで血管を塞ぎ、その先の組織や細胞に必要な酸素や栄養が行かなくなってしまう疾患を血栓症といいます。特に赤ちゃんに栄養を運ぶための胎盤は血管が細く、血流もゆっくりなので、血栓ができやすいとされています。そのため、血栓症の素因があると、赤ちゃんに十分な酸素や栄養がいかないことで、成長を妨げて結果的に流産となることがあります。
→抗リン脂質抗体検査(抗カルジオリピンIgG/IgM、抗β2GP1抗体IgG/IgM)、凝固第XII因子活性、プロテインC活性、プロテインS活性、抗PE IgG、抗PE IgM(いずれも血液検査)
内分泌異常※
甲状腺機能に異常があれば流早産の原因となったり、胎児の発育に影響を及ぼすとされています。また高血糖や高プロラクチン血症などの内分泌異常も流産を引き起こす原因となりうると言われています。
→甲状腺機能と糖尿病の検査、高プロラクチン血症の検査
子宮形態異常※
中隔子宮など一部流産との関係が報告されている子宮形態異常があります。
→経腟超音波検査※、ソノヒステログラフィー※、必要に応じMRI検査
染色体検査※
流産の原因の50~80%は胎児の染色体異常と言われており、その大半は偶発的なものです。しかし、ご夫婦のいずれかに染色体異常がある場合には染色体異常をもった受精卵となる確率が通常より高くなるため、流産のリスクが高くなります。
→血液検査(Gバンド法)※
胎児染色体異常→流産の原因の50~80%は胎児の染色体異常と言われていますが、流産手術で摘出された赤ちゃんの胎盤になる元の組織を検査することで、流産の原因が赤ちゃん側の要因であったかどうかが分かります。赤ちゃん側の原因であれば、防ぎようのなかった流産となります。
→流産手術のときに摘出組織を用いて検査します。
子宮内フローラ検査※
子宮内には様々な細菌が存在しますが、乳酸菌の一種であるラクトバチルスの割合が多い状態が妊娠に対して良い子宮内環境とされています。菌のバランスの乱れが着床不全や流産、早産の原因の一つと考えられています。
子宮内フローラ検査は自費診療です。料金表をご確認ください。
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