尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマとは
尖圭(せんけい)コンジローマは、性感染症(STI)の一つで、外陰部や肛門周囲などに“イボ状のぶつぶつ(疣贅:ゆうぜい)”ができる病気です。原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染で、主にHPV6型・11型(いわゆる「低リスク型」)が関与します。子宮頸がんの主な原因となるHPV16型・18型など(高リスク型)とはタイプが異なる点が重要です。
感染経路は、性行為(腟・肛門・口腔を含む)を介した皮膚や粘膜同士の接触が中心で、コンドームを使っていても接触部位によっては完全に防ぎきれないことがあります。感染してもすぐに症状が出るとは限らず、数週間〜数か月たってから気づくこともあります。また、同じHPVでも「目に見えるイボができるタイプ」と「自覚症状が出にくいタイプ」があり、症状の出方には個人差があります。
「もしかして…」と感じても、恥ずかしさで受診を先延ばしにする方が少なくありません。しかし、早めに診断して適切な治療を選ぶことで、広がりやすさ・治療回数・再発リスクの面でメリットがあります。気になる変化がある場合は、まずはご相談ください。
症状
女性では、以下の部位にできやすいです。
- 外陰部(大陰唇・小陰唇)
- 腟の入口(腟前庭)
- 肛門周囲
形は小さな粒状から、数が増えてカリフラワー状に盛り上がるものまでさまざまです。色は肌色〜薄いピンク色、褐色っぽく見える場合もあります。触るとザラザラしていたり、柔らかい突起として気づくこともあります。
自覚症状は「まったくない」ことも多い一方で、以下のような症状が出ることもあります。
- かゆみ、ヒリヒリ感、違和感
- 下着が擦れて痛い
- 出血(こすれたときに少量)
- おりものの増加(病変の部位や炎症の程度によります)
また、腟の中や尿道の出口付近にできることもあり、その場合はご自身で確認しづらく、健診や診察で初めて見つかるケースがあります。
診断
多くの場合、見た目(視診)で診断が可能です。尖圭コンジローマは“先の尖った突起が集まる”など特徴的な形態をとることが多いためです。
ただし、以下のような場合は、念のため追加の確認(場合により組織検査=生検)を検討します。
- 形が典型的でない、色調が不均一、急に大きくなる、潰瘍や硬さがある
- 免疫が低下している(持病や治療薬の影響など)
- 治療をしても改善しにくい、繰り返し再発する
- 他の病気(単純ヘルペス、伝染性軟属腫、良性の突起、腫瘍性病変など)との区別が必要
また、性感染症は“複数が同時に存在する”こともあります。必要に応じて、クラミジア・淋菌・梅毒・HIVなど、状況に合わせた検査をご提案することがあります(症状や背景により個別に判断します)。
治療
尖圭コンジローマの治療は大きく分けて、
1)外用薬(塗り薬)
2)物理的に取り除く治療(凍結、レーザー、切除)
の2系統があります。
病変の「部位(皮膚か粘膜か)」「数・大きさ」「痛みの出やすさ」「妊娠の有無」「再発歴」などを踏まえて、医療保険で行うかどうかも含め、検討します。
■ 外用薬(保険診療)
保険診療では、クリーム状の外用薬が処方できます。
外用薬は「ご自身で続けられる」「小さめの病変に向く」一方で、「部位によって使えない」「反応が強いとつらい」「消失まで時間がかかる」ことがあります。
■ 凍結凝固療法(液体窒素による冷凍治療:保険診療)
液体窒素で病変を凍結し、壊死させて取れていくのを促す治療です。
- 何度も通院していただくことが多いです
- 治療時の痛み、治療後の水ぶくれ・ヒリヒリ感が出ることがあります
- 早く“目に見えるイボ”を減らしたい場合に選ばれやすい治療です
■ 外科的治療(レーザー、切除など)
病変が大きい、数が多い、粘膜面に及ぶ、再発を繰り返す、といった場合に検討します。
- 当院では、保険適応の外用薬治療および冷凍凝固治療を実施しています
- また、レーザー治療(自費診療)も対応可能です
- 治療法は、診察所見と患者様のご希望(痛みの不安、通院回数、早く治したい等)をすり合わせながら、必要十分な方法をご提案します
治療後の経過・再発について(重要)
尖圭コンジローマは「見た目が治った=ウイルスが完全にいなくなった」とは限らず、治療後に再発することがあります。
治療後3か月以内に約25%が再発するといわれており、少なくとも3か月程度はフォローアップが推奨されます。
再発を減らすために大切なことは、
- 指示された治療を途中で自己判断で中断しない
- 治療後もしばらくは定期的に診察を受ける
- こすれや刺激を避け、患部を清潔に保つ
- パートナーにも症状がないか確認し、必要に応じて受診を促す
といった点です。
「これって尖圭コンジローマかも?」という段階でも大丈夫です。診察では、できるだけ不安を減らせるように、症状や生活背景を伺いながら進めますので、安心してご相談ください。
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