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性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスを原因とし、性行為を通じて広がる性感染症の1つで、再発を繰り返す点が特徴です。一度感染すると体内に感染し続け、体調が悪い時や過労や精神的ストレスで抵抗力が弱ったり、性器に刺激が加わったときに再発することがあります。単純ヘルペスには1型、2型の2種類のタイプがあり、口と性器に感染します。口に感染したのが口唇ヘルペスで、性器に感染したのが性器ヘルペスです。2種類のタイプのどちらも口、性器にそれぞれ感染する可能性はありますが、性器ヘルペスの場合は2型が再発しやすい特徴があります。単純ヘルペスウイルスをもっている人は意外と多く、1型では50~80%、2型では10%程度と言われています。しかし、感染したすべての人に症状が出るわけではなく、8割程度の人は無症状と言われています。

 

性器ヘルペスの症状

性器ヘルペスの症状は、初めて現れた時が一番重症で、性的接触後 2~10 日間の潜伏期をおいて突然発症し、外陰部に浅い潰瘍性または水ぶくれ様の痛みを伴う病変が多発します。38℃以上の発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことがあります。痛みが強く,排尿が困難となるケースもあり,ほとんどの症例で鼠径リンパ節の腫脹と圧痛がみられます。再発例の症状は軽く,性器または殿部や大腿部に小さい潰瘍性または水ぶくれのような病変を数個形成するだけのことが多いです。再発する前に外陰部の違和感や,大腿から下肢にかけて神経痛のような痛みなどの前兆などを感じることもあります。複数回、性器ヘルペスの発作を経験することも多いですが、発作の頻度は個人によって異なりますが、時間とともに症状の強さや頻度が減少する傾向にあります。

 

性器ヘルペスの検査

特徴的な臨床経過と肉眼所見より、基本的には肉眼的に診断可能です。単純ヘルペスウイルスの診断補助キットが保険適用となっており、水疱、潰瘍またはびらん中のウイルスの存在について迅速な検出が可能となっております。ただし,本検査が陰性であっても HSV 感染を完全に否定できないため、基本的に臨床症状と肉眼所見での診断になります。血液中の抗体価によるを測ることで、初発・再発を診断する ことが可能ですが、血液中に抗体が産生されるまでにタイムラグがあることや、過去の感染で抗体反応が残るため、抗体陽性というだけでその病変がヘルペスウイルスによるものかどうかの診断にはならないケースも多いです。

 

性器ヘルペスの治療

抗ウイルス薬の内服が有効で、治るまでの期間は短縮しますが、潜伏しているウイルスを完全に排除することはできません。軽症例では 抗ウイルス薬の軟膏を 1 日数回塗布することで軽快しますが、内服も併用した方が治りは早く、感染力をもつ期間も短縮できます。頻回に再発を繰り返す患者の QOLを改善するために,抗ウイルス薬による再発抑制療法が保険適用になっており、1年間程度継続できます。また、再発しやすい方に対して、早期短期治療が保険適用となり、初期症状を自覚した時点で内服可能となっている薬剤があります。無症候でも感染源となりうるので,パートナーはコンドーム使用などの予防策が勧めらますが、再発は肛門・殿部・大腿部などにも起こりうるので,完全には防止できないのが現状です。

 

性器ヘルペスの予防

セックスの際にはコンドームを使用することが感染リスクを低減させます。また、潰瘍や水ぶくれがある場合にはセックスを避けるべきです。性行為(口、膣、肛門)も、口周りに水ぶくれや潰瘍がある場合には避けるべきです。

 

受診のタイミング

性器ヘルペスの症状が現れた場合、早めに医師に相談しましょう。早期診断と治療の早期開始は感染の管理・予防に役立ちます。また、再発が頻繁に起こる場合やパートナーへの感染を防ぎたい場合は、定期的な診察を受けることを検討しましょう。

 

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