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月経前症候群

月経前症候群の概要

月経前症候群(PMS)は、『月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの』とされ、月経前緊張症などと呼ばれることもあります。その中でも特に、怒りやイライラ・内的な緊張などの精神的症状が顕著な重症のPMSを月経前不快気分障害(PMDD)と定義されています。
女性ホルモンの周期的な変化が関係すると言われていますが、排卵を契機として、女性ホルモンのバランスが変わること、特に黄体ホルモンの変動が主な原因と考えら得ています。その他セロトニンをはじめとした神経伝達物質系の異常やメラトニン日内変動の異常、自律神経のバランスの乱れなど、非常に多彩な原因があるとされています。
また、精神的・社会的に不安定な環境や喫煙、アルコールの飲み過ぎ、マグネシウム不足などが関係しているとする説もあり、複数の原因が絡み合ってPMSはおこるようです。

 

PMSの頻度

生理のある女性に起こる症状なので、初経を迎えた10歳代から閉経を迎える50歳代の全ての女性にPMSが起こる可能性がありますし、実際、生理のある女性の8割ほどが月経前に軽度の情緒的または身体的な症状(乳房の痛みや浮腫など)を経験しますが、これらの症状は軽度であり、日常生活に支障をきたす程度ではないケースが多いです。
中には日常生活に支障をきたすほど強い症状があるケースもあり、女性の5.4%を占めると言われています。思春期の女性の方がPMSが多いとの報告があります。

 

PMSの症状

PMSの症状には、以下の身体症状と精神症状があり、月経前1週間前後で発症し、月経開始とともに軽快するという状態を毎周期、繰り返すことが特徴です。
①身体症状(下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、頭痛、乳房の痛み、眠くなる、疲れやすい、ニキビ吹き出物、便秘、など)
②精神症状(イライラ感、気分の浮き沈みや落ち込み、不安感、やる気が出ない、など)

 

PMSの検査

症状が出る可能性がある病気が他にないことを確認した上で、
①症状が生理前に繰り返し起こること
②症状が現れるのが生理前であり、かつ生理が始まったら症状が軽快すること
で診断になります。

 

PMSの治療

規則正しい食事や適度な運動、十分な睡眠とバランスの取れた食事、ストレスの解消が症状改善に結びつくことがあります。薬物療法として、排卵を止めればホルモンの変動がなくなりPMSの症状が出なくなるので、低用量ピルを処方することが多いです。その他、それぞれの症状に応じた対症療法としての抗うつ薬や抗不安薬などのお薬や漢方薬を処方することがあります。

 

PMSの予防

予防的なアプローチは、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快感情障害)の症状を軽減するのに役立つことがあります。以下は予防の観点から考慮すべきポイントです:
健康なライフスタイル:健康的なライフスタイルを維持することが大切です。適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠は、PMS症状を軽減させます。
ストレス管理:ストレスはPMSやPMDDの症状を悪化させる可能性があるため、ストレスを軽減する方法を探しましょう。瞑想、ヨガ、深呼吸などのリラクゼーションが役立つことがあります。
栄養:食事やサプリメントでビタミンB6、ビタミンE、カルシウム、マグネシウムなどの摂取を心がけることで、PMS症状の軽減つながることがあると言われています。また、カフェイン、アルコールの摂取や喫煙は控えたほうが良いでしょう。

 

受診のタイミング

PMSやPMDDの症状があり、日常生活に支障をきたす場合は相談にいらしてください。その際に、以下に関してのメモなどがあれば診断、治療に役立つことがありますので、お持ちいただけると助かります。

★症状の記録: 症状が周期的に現れるかどうかを確認するため、少なくとも1〜2か月間にわたり、日々の症状を記録しましょう。これにより正確な診断を行うのに役立ちます。

★病歴の記録: 過去の健康状態や薬物治療の履歴の記録があると助かります。これにより、他の疾患との鑑別診断が行われる際に役立ちます。

適切な専門家への紹介: 重症のPMSやPMDDと判断された場合には、心療内科医や精神科医にご紹介させていただいた方がより適切な治療を受けていただけると思います。ご相談の上、紹介状をお書きします。

PMSやPMDDの症状は個人によって異なるため、症状の種類や程度、発症時期についてその都度教えていただけると診断の助けになります。早期の診断と適切な治療は、女性の生活の質を向上させるのに役立つと考えています。

 

 

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