プレコンセプションチェック(ブライダルチェック)
プレコンセプションチェックでは、一般的な健康診断、婦人科検診を含め、将来的な将来の結婚や妊娠をお考えの方に、妊娠や出産に影響を及ぼす病気がないか、赤ちゃんに感染する病気がないかなどをコンセプション(受胎=おなかの中に新しい命が宿ること=妊娠)の前に検査を行うことでご自身の状態を知ることができます。
このヘルスチェックは結婚する・しないに関わらず、すべての女性に受けてもらいたい検査です。
もちろん、結婚前でも結婚後でも、いつ受けなければならないという決まりはありません。
ただ将来的に妊娠を望まれている場合は特に、早めに発見して対処しておけばよかったと後悔する状態が発覚することもあります。悪いところがあれば、影響が少ないうちに対処できるように「早期発見、早期治療」が大切なのです。ご自身の体の状態を把握した上で将来に備えるという意味があると思います。
すぐの妊娠を希望するという方は、できるだけ早めの受診をお勧めいたします。風しん・麻しんなどの抗体がない場合は、ワクチン接種をする必要がありますし、不妊につながる病気や異常がある方などは、治療に結びつけなければならないからです。(風しん・麻しんの抗体をつけるMRワクチンは「生ワクチン」の分類となるため、接種したあと2ヵ月間は避妊をお願いしております)
プレコンセプションチェックA
先々の妊娠を考えている方に積極的に受けていただきたい検査です
妊娠に直接影響のあるリスク因子を検査することを目的として行います。一般的な健康診断で調べることが殆どない内容なので、妊娠を妨げるような要因がないかどうかを考えた場合には調べておいたほうが良い検査といえます。
注意点(必ずご確認ください)
■ピル内服中の方はAMHやホルモン値の適切な評価ができませんので、ピル中止後数ヶ月経過してからの採血をお薦めします。
■ホルモン検査は月経周期の影響を受けますので、月経3~5日目の採血をお薦めします。
セット項目
経腟超音波検査(子宮・卵巣)?
甲状腺機能検査? AMH検査?
FSH? LH?
エストラジオール? プロラクチン?
ビタミンD?
クラミジア抗体(IgG, IgA)?
風しん抗体?
腟に親指ほどの太さの超音波検査の機器(プローブ)を挿入し、子宮や卵巣の状態を確認する検査です。子宮の病気や卵巣の病気の有無を調べます。
甲状腺機能の異常は特に女性に多くみられ、バセドウ病・橋本病などの疾患は、月経(生理)に異常をきたす可能性があります。妊娠前に甲状腺機能の異常の有無を確認することが大切です。甲状腺ホルモンは胎盤を通じて胎児の発育に影響している可能性があるとされています。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。血液中のAMH値によって、卵巣の予備能(卵巣内にある卵子の数の目安)がどのくらいあるのかわかります。不妊症治療の分野で近年話題になり、注目されている検査です。
下垂体から分泌されるホルモンで、脳下垂体や性腺機能異常の有無がわかります。
LHも下垂体から分泌されるホルモンです。このホルモン値で排卵時期を予測できます。生理不順や不妊の原因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断にFSHとLHの検査が有効です。
卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)を構成する代表的な成分。エストラジオールを測定することで卵巣機能の状態や更年期・閉経の可能性などが判明します。
脳下垂体から分泌されるプロラクチンは乳汁分泌を促すホルモンとして知られています。このホルモンが、出産後や授乳時ではないときに多量に分泌されていると、月経不順や黄体機能不全、流産の原因となり得るため注意が必要です。
妊娠に関しては、良い卵子を作ったり受精卵を着床しやすくする作用があります。逆に不足すると排卵障害の原因になったり、妊娠した場合も合併症を起こしやすくなります。妊娠中に関与するビタミンD欠乏は、妊娠高血圧や妊娠糖尿病、切迫早産を招く可能性があります。胎児においては、ビタミンD欠乏により、骨密度の低下、骨成長のみならず、出生後からの児の長期間の骨の成長に影響を及ぼす可能性が示唆されています。
クラミジア感染症は、性感染症(性病)の一つで、自覚症状は殆どなく発見しにくい病気です。クラミジア感染が長期間続くと、卵管が詰まってしまい不妊の原因となったり、腹部の中へ広がって腹膜炎を起こしたりして、子宮外妊娠や不妊などの原因になる可能性があります。妊娠中に感染して胎児やそれを守っている絨毛などの組織に感染すると、流産や早産の原因になることがありますし、出産時に新生児に感染し、肺炎や結膜炎を発症することもあります。クラミジア抗体(IgG、IgA)は感染の既往を表し、抗体価が高いとクラミジア感染による骨盤内の癒着の程度がひどく、妊娠しづらくなっている可能性が高いと言われています。
風しんのウイルス抗体をもっているかを調べます。妊娠中、特に妊娠初期の女性が風しんにかかると、生まれてくる赤ちゃんが目、耳、心臓などに病気を持つ「先天性風疹症候群」という病気にかかることがあります。抗体を持ってない方は妊娠前に抗体の有無を調べ、必要であればワクチン接種を受けましょう。
項目追加オプション
精子不動化抗体?
子宮内フローラ検査?
子宮頸がん検診(細胞診)?
抗精子抗体(ASA)は、頸管粘液や腟・子宮、卵管の中に現れることがある抗体です。この抗体をもっている女性の場合、性行為で精子が腟内に入っても、抗体が精子表面に結合し、精子の運動を止めてしまいます。このことが不妊の原因となるのです。また受精の際に悪影響を及ぼして、受精障害の原因になることがあります。
子宮の中は善玉菌、悪玉菌がいますが、善玉菌が多いほうが妊娠率が良く流産率が低いと言われています。子宮の中から分泌物を採取して、菌の割合を検査します。菌のバランスが悪いときには、乳酸菌サプリなどで改善を図ります。
2年に1回は子宮がん検診を受けられることをお勧めします。名古屋市の公費対象の年でない方は、自費で検査が可能です。公費対象の方は、公費でできますので受付でお申し付けください。
プレコンセプションチェックB
赤ちゃんにも影響する感染症に特化
妊娠・出産時に感染していると赤ちゃんに対して様々なリスクがある感染症や肝炎の有無を調べるセットです。肝炎ウイルス・梅毒・HIV感染症は採血による血液検査で行い、クラミジア感染症・淋菌感染症(淋病)・トリコモナス腟炎は、腟分泌物の採取によって検査が行われます。
セット項目
梅毒?
肝炎ウイルス? HIV感染症?
クラミジア抗原? 淋菌抗原?
腟トリコモナス?
膣分泌物培養?
風疹抗体? 麻疹抗体?
トキソプラズマ抗体?
サイトメガロウイルス抗体?
梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体(細菌)による感染が原因で起こる性感染症(性病)です。潜伏期間が長く、梅毒感染から3~6週間で、陰部といった感染部位に硬いしこりができます。このしこりは治療しなくても数週間で消えてしまうため、発症していることに気づかないケースが多いです。その後、1〜3ヵ月程度で手のひら・足の裏・陰部などに発疹ができ、発熱や倦怠感を伴う場合もあります。梅毒の治療方法は薬物療法で、ペニシリンなどの抗生物質で治すことができます。抗生物質がなかった時代は、梅毒の進行と共に脳や神経が侵され、死に至るケースも多く、不治の病というイメージがありました。梅毒は昔の病気だと思われがちですが、近年では若い女性を中心に感染者が増えています。妊娠中に感染し、胎児に感染すると、流産や早産、死産の原因になることがあります。また、治療を受けていない場合などに、赤ちゃんの神経や骨などに異常をきたす先天梅毒を発症することがあります。
ウイルス性肝炎は、A、B、C、D、E型などの肝炎ウイルスによって起こる肝臓の病気です。中でもB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスは、感染すると慢性の肝臓病を引き起こす原因になります。肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、その働きが悪くなり、倦怠感・食欲不振・吐き気・黄疸(皮膚が黄色くなること)などの症状が現れることもありますが、全く症状が出ないことも珍しくありません。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染経路は主に水平感染といって、感染者の血液が体の中に入ることです。また、垂直感染といって、母親が肝炎ウイルスに感染していると、出産のときに産道で血液を介して赤ちゃんに感染するケースもあります。赤ちゃんに感染しても多くは無症状ですが、まれに、乳児期に重い肝炎を起こすことがあります。将来、肝炎、肝硬変、肝がんになることがあります。妊婦がB型肝炎ウイルスを持っている場合、産まれてきた赤ちゃんにワクチンを接種することで感染を予防します。
エイズの原因となる感染症が、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症です。HIVに感染すると免疫力が徐々に弱くなり、早期に治療を開始しないと数年〜10年程度で、健康な人であれば問題にならないような病気(菌やウイルスによる)を発症します。この状態がエイズです。また、性感染症にかかっていると、HIVの感染率は数倍ほど増加すると考えられています。「死」につながるイメージのある病気ですが、近年では、適切な薬物治療によって日常生活を続けられるようになっています。
クラミジアそのものの存在を調べる検査です。症状はほとんどなく、感染初期におりものの増加やかるい下腹部痛がある程度の方もいます。骨盤内感染症を起こし、卵管がつまり、不妊症や子宮外妊娠の原因になることがあります。また、母子感染により新生児に結膜炎や肺炎などの影響が出る可能性がありますので、早期発見、早期治療が必要です。
淋菌感染症(淋病)は、淋菌が原因で発症する性感染症です。自覚症状がない場合もありますが、進行すると不正出血や下腹部痛が起こり、不妊につながる可能性もあります。そのため、早期発見、早期治療が必要です。クラミジア感染症と同時感染するケースが多いため、クラミジア検査とあわせて淋病検査をすることが推奨されています。
トリコモナス腟炎は、腟トリコモナス原虫という寄生虫が原因で起こる性感染症です。性行為以外にも、下着やタオル、浴槽や便器の共有などで感染するケースもあり、性行為の経験がない小児への感染あります。女性がトリコモナスに感染した場合は、泡状で悪臭の強いおりものや、腟・外陰部の強いかゆみ・痛みなどが現れます。しかし、約20%の女性には症状が現れないため、感染に気付かないケースがあり、注意が必要です。トリコモナスも他の性感染症と同様に、放置しても自然治癒することがないため、放置してしまうと不妊や流産の原因になります。
腟から分泌物を採取し培養します。細菌性腟炎や酵母菌感染症など、妊娠に影響を及ぼす可能性のある感染症の状況を検査します。
風疹は胎児に重大な影響を与える可能性があるため、妊娠前の抗体検査が重要です。血液検査で、風疹ウイルスに対する免疫があるかどうかを確認します。抗体が基準値未満の場合、妊娠前にワクチン接種を行うことで、母子ともに風疹のリスクを減らすことができます。
麻疹は高い感染力を持つ病気で、妊婦が感染すると重症化しやすいです。この検査で麻疹に対する免疫抗体の有無を確認し、必要に応じてワクチン接種を推奨します。免疫があれば、妊娠中の麻疹感染のリスクを減らすことができます。
トキソプラズマは、感染すると妊婦から胎児へ重大な影響を及ぼす可能性がある寄生虫です。トキソプラズマに対する抗体があるかどうかを確認します。
サイトメガロウイルス(CMV)は、感染すると妊娠中や出産時に胎児に悪影響を及ぼすことがあります。この血液検査では、CMVへの過去の感染を示す抗体があるかどうかを確認できます。
項目追加オプション
経腟超音波検査(子宮・卵巣)?
子宮頸がん検診(細胞診)?
腟に親指ほどの太さの超音波検査の機器(プローブ)を挿入し、子宮や卵巣の状態を確認する検査です。子宮の病気や卵巣の病気の有無を調べます。
2年に1回は子宮がん検診を受けられることをお勧めします。名古屋市の公費対象の年でない方は、自費で検査が可能です。公費対象の方は、公費でできますので受付でお申し付けください。
プレコンセプションチェックC
一般健康診断項目をカバー
一般的な健康診断で行う項目で、貧血や肝機能異常など、妊娠のベースとなる体作りとして健康体であるかを把握する検査となります。
セット項目
血液一般検査、尿検査
貧血検査(血清鉄, 血清フェリチン)?
糖尿病検査(HbA1c, 血糖)?
肝機能検査(AST, ALT, γGTP, 総ビリルビン)?
腎機能検査(血清クレアチニン, BUN)?
脂質異常(LDL, HDLコレステロール, 中性脂肪)?
貧血にはいくつか種類があり、もっとも多いのが「鉄欠乏性貧血」です。女性の場合は「過多月経」など、生理の経血量が多いために体内の鉄分が少なくなって起こります。立ちくらみ・疲れが取れない・息切れしやすいなどの症状がみられる方は注意が必要です。
糖尿病であることを知らずに妊娠してしまうと、胎児奇形や妊娠中の合併症などさまざまなリスクが起こる可能性があります。
沈黙の臓器と例えられる肝臓は、異常や病気があっても初期には、痛みなど自覚症状がほとんど現れないことが特徴です。知らない間に肝臓の機能が少しずつ低下して、明確な症状が出たときには、すでに重症化していたということも少なくありません。
自覚症状があまりない慢性腎臓病は、早期発見が大切です。慢性腎臓病とは、腎臓の働きが健康な人の60%以下まで低下する、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が長く続くことを指します。高血圧・糖尿病・コレステロールや中性脂肪が高い(脂質代謝異常)・肥満・メタボリックシンドロームの方、また家族に腎臓病の方がいらっしゃる場合には要注意です。
脂質異常症は、かつて高脂血症と呼ばれていた病気で、血液中のコレステロール値が異常になる病気です。原因は、体質や生活習慣のほかに、糖尿病や肥満、甲状腺機能の異常でも起こります。脂質異常症は症状が出ることはあまりありませんが、動脈硬化を引き起こすことから、狭心症・脳梗塞につながることもあります。また、コレステロールが胆汁に多く含まれるようになり胆石が起こることもあります。
項目追加オプション
経腟超音波検査(子宮・卵巣)?
子宮頸がん検診(細胞診)?
腟に親指ほどの太さの超音波検査の機器(プローブ)を挿入し、子宮や卵巣の状態を確認する検査です。子宮の病気や卵巣の病気の有無を調べます。
2年に1回は子宮がん検診を受けられることをお勧めします。名古屋市の公費対象の年でない方は、自費で検査が可能です。公費対象の方は、公費でできますので受付でお申し付けください。
料金表(プレコンチェック)
※自費診察料 (初診料?再診料?)が別途必要です
自費診察料(初診料)は2,750円(税込)です
自費診察料(再診料)は880円(税込)です
項目 | 料金(税込) | |
---|---|---|
プレコンチェックA | 28,600円 | |
追加 オプション |
精子不動化抗体検査 | 4,400円 |
子宮内フローラ検査 | 44,000円 | |
子宮頸がん検診(細胞診) | 2,200円 |
プレコンチェックB |
16,500円 |
|
追加 オプション |
経腟超音波検査 | 2,200円 |
子宮頸がん検診(細胞診) | 2,200円 |
プレコンチェックC |
3,850円 |
|
追加 オプション |
経腟超音波検査 | 2,200円 |
子宮頸がん検診(細胞診) | 2,200円 |
お支払方法
当クリニックでは、お支払いの利便性を考慮し、セミセルフレジシステムを導入しております。
セルフレジでは、お手続きをスムーズに行うことができます。画面の指示に従って必要な情報を入力し、お支払いを完了させてください。
ご来院の際のお支払いについて、以下の方法をご利用いただけます。
現金支払い
現金でのお支払いが可能です。セルフレジ機に現金を投入し、お釣りを受け取ってください。
クレジットカード
VISA、MasterCard、AMEX、JCB、ダイナーズ、ディスカバーのクレジットカードに対応しています。カードでのお支払いをご希望の場合は、セミセルフレジにてカードを読み取り、指示に従って操作してください。
よくあるご質問
プレコンセプションチェックの目的は何ですか?
プレコンセプションチェックの目的は、将来の妊娠に影響を及ぼす可能性のある健康上のリスクを事前に特定し、適切な対策や早期治療を行うためです。
プレコンセプションチェックはどのような方にお勧めですか?
妊娠を計画しているすべての女性、将来的に妊娠を考えている女性にお勧めです。既婚、未婚に関わらず、体の健康状態を知りたい方にも適しています。
プレコンセプションチェックでどのようなことが分かりますか?
健康状態全般、性感染症の有無、妊娠や出産に影響を及ぼす可能性のあるリスク因子などについて評価できます。
プレコンセプションチェックを受ける最適なタイミングはいつですか?
早めの妊娠を考えられている方はできるだけ早めに受けることをお薦めします。また、ホルモン検査は月経周期の影響を受けますので月経3~5日目の採血、ピル内服中の方はAMHやホルモン値の適切な評価ができませんので、ピル中止後の採血をお薦めします。
検査に特別な準備は必要ですか?
特別な準備は必要ありませんが、事前に健康状態や過去の医療履歴などに関する情報を整理しておくとスムーズです。
プレコンセプションチェックは保険適用されますか?
予防的な検査のため自費診療になります。
プレコンセプションチェックの結果により妊娠計画に影響はありますか?
検査結果に基づき、妊娠に最適な体調を整えるためにアドバイスをさせていただきます。場合によっては治療が必要こともあるため、その際は適切に対応させていただきます。
注意点
- ホルモン検査は月経周期の影響を受けますので、月経3~5日目の採血をお薦めします。
- ピル内服中の方はAMHやホルモン値の適切な評価ができませんので、ピル中止後の採血をお薦めします。
- プレコンセプションチェックは自費診療です。
ここもチェック
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