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インティマレーザーの効果について

[2024.09.22]

こんにちは、院長の前田です。

今日は連休でお休みでしたので、インティマレーザーの治療効果について、研究論文を少しまとめました。
GSMや腟のゆるみ、尿もれ、性交痛の改善効果を報告している研究が多いです。

 

性交痛・乾燥・刺激感・おりものに効果あり

Gaspar A, et al. Lasers Surg Med. 2017;49(2):160-168.

この研究は、閉経後の女性における外陰・腟萎縮症候群(GSM)に対するエルビウムYAGレーザー(インティマレーザー)治療の有効性を、従来のエストリオール局所療法(腟剤)と比較検討したものです。

● 方法
レーザー治療群とエストリオール治療群の2群に分け、8週間の治療を行った。

主な研究結果は以下の通りです:
● レーザー治療群では、GSMの症状(性交痛、乾燥感、刺激感、慢性的なおりもの)が18ヶ月後まで有意に改善した。
● エストリオール群では6ヶ月後まで改善がみられたが、12ヶ月後には効果が減弱した。
● 腟粘膜の成熟度や膣pHの改善も、レーザー群でより顕著かつ持続的だった。(レーザー治療のほうが効果的だった)
● 組織学的検査では、レーザー治療後に血管新生や結合組織の再構築が認められた。(粘膜に治療効果が表れた)
● 両群とも副作用は軽微で一過性だった。
● 結論として、エルビウムYAGレーザー治療(インティマレーザー)は従来のエストリオール療法よりも効果が高く、持続期間も長いGSMの新しい治療選択肢となる可能性が示唆されました。

 

腹圧性尿失禁(尿もれ)に効果あり

O'Reilly BA, et al. Int J Gynaecol Obstet. 2024;164(3):1184-1194.

この研究論文では、腹圧性尿失禁(SUI)に対するエルビウムYAGレーザー治療(インティマレーザー)の有効性と安全性を評価した多施設無作為化二重盲検偽治療対照試験について報告しています。

● 方法
尿流動態検査でSUIと診断された女性110名を対象に、実際のレーザー治療群と偽治療群に無作為に割り付けた。
1ヶ月間隔で2回の治療を実施し、主要評価項目は6ヶ月後の1時間パッドテストとした。

主な研究結果は以下の通りです:
● レーザー治療群では偽治療群と比較して、治療成功の可能性が3倍以上高かった(OR 3.63, 95% CI: 1.3-11.2, P = 0.02)。
● 生活の質(KHQ)、性機能(PISQ-12)、患者の主観的評価(PGI-I)においても、レーザー治療群が有意に優れた改善を示した。
● 副次的評価項目として、12ヶ月後の治療効果の持続性、SUI重症度(ICIQ-UI SF)、有害事象の発生率と重症度、疼痛(VAS)などが評価され、レーザー治療は、偽治療と比較してSUI症状を有意に改善させた。
● 結論として、この研究はエルビウムYAGレーザー治療がSUI患者に対する非外科的治療選択肢として考慮されるべきであることを示唆しています。この治療法は、従来の保存的治療が奏功しなかったSUI患者に新たな選択肢を提供する可能性があります。

GSMに効果的

インティマレーザーはGSM(閉経後尿生殖器症候群)に効果的?か検証した研究成果です。
この研究では、GSM患者40人にレーザーの効果が検証されました。治療後12ヶ月まで、すべての患者において「腟の乾燥」と「性交痛」が有意に減少していました。
また、性生活の改善(性交回避の評価)も有意でした。重篤な副作用は報告されず、治療満足度が非常に高かったと報告されています。(Bojanini JF. Journal of the Laser and Health Academy 2016:1;35-40.)

研究論文の結果をもっと知りたい方は以下のボタンから

 

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